引導を渡す


ご葬儀では『引導(いんどう』を渡します。

 

引導とは、人を誘い導いて仏の道に入らせること。死者を済度すること。


ご葬儀の時に、導師が棺の前で、法語(仏教の教え)を語って、亡くなった方を迷界から悟りの道へ導く試みが引導の儀式です。

これを、「引導を渡す」と言います。

 

葬儀といっても、何を言っているのか?、何をやっているのかさっぱりわからん??

というのが一般の方の感想だと思います。

 

引導の時というのは、葬儀の式中に読経していた導師が立ちます。

ここからが引導です(引導法語)

 

私の場合、葬儀の開式から25分から30分で引導です。

 

故人の生前での生き方や功績などを讃えます。

その後、死の事実を認識させ、現世の執着を棄て、悟りの道(仏道)へ進むよう説き、この世から悟りの世界へお導きさせて頂きます。

 

最後の方では、「喝(カツ)」「露(ロ)」などと目が覚めるように激しく悟りを促したり、「咦(いぃ~)」など優しく説いたりします。

事実(真実)を語り、故人様が自らの死に向き合うための儀式でもあります。

 

一般的に、「あいつに引導を渡してやった。」

これは葬儀の引導が転用された言葉だと思います。

引導を渡すというのが、とどめを刺すような意味になっています。

 

少し乱暴な言い方で、人を導くという葬儀の引導の意味からすると違ってきます。

 

私も引導を渡す側から、いつか引導を渡される側になります。

それは、明日か、1年先か、数十年先か…。

わかりません。

 

 

それまで精一杯自分の勤めを果したいです。